Wing 21 いばらき 2000年10月号より
環境修復の開拓者
株式会社 イガデン
全国で2番目の面積を持つ湖「霞ヶ浦」。しかし、重要な水源にもかかわらず、この最近の印象といえば、アオコ(藻類)や水質汚染等、決して良い言葉が浮かんでこない。このような中、平成9年11月に茨城県地域結集型共同研究事業霞ヶ浦水質浄化プロジェクトが科学技術振興事業団からの受託事業として発足、このプロジェクトには、大学、国立・県試験研究機関、そして多くの研究開発型企業の一員として参加している検査測定ベンチャーの株式会社イガデンを訪問した。


【迫られた業種転換】

同社は、昭和51年4月に五十嵐電器として設立、大手企業で発生する不良部品を原因追求し、メンテナンスを行い製品化する業務から始まり、その後家電関連の測定器の開発を手掛け、特許新製品である「道路交通情報ラジオ1620」や「プリント基板チェッカー」の製造販売を行う一方、シンガポールなど海外に工場を進出する等順調に業績を伸ばしてきた。しかし、平成9年のアジア通貨危機により、業種の方向転換のリストラを迫られることとなる。これを契機に五十嵐社長は、以前から興味があり、日本でも、国際規格を取得する動きが高まっていた環境分野に進出を図った。
もともとテレビやオーディオなどの性能を自動検査する特殊な電気機器や測定器を開発しており開発力には定評があった。そこに、県や筑波大学、国立研究所主催の新分野進出へのセミナーや研究会に積極的に参加し、更なる研鑚を積み、平成10年イガデン初の環境関連装置である「高効率電気分解水処理装置」(MICRO WATER SYSTEM)の開発に成功した。


【霞ヶ浦水質浄化プロジェクトへの参加】

この「高効率電気分解装置」は、特殊交流電流を通じて水のリサイクルを行うほか、雑菌などの繁殖を抑えるうえ、薬品を一切使用しないという地球環境に優しい水処理装置のため、ISO14000取得企業や取得を目指す企業から高い評価を得ている。また、開発の成功を契機に、公共団体や大学などから共同研究の依頼や協力要請を受けるなど信頼が高まり、これにより平成11年5月には、アオコ(藻類)除去装置を開発することに成功した。
従来はアオコを回収するのには凝集剤を投入したり、水の中に空気を送り込み回収するなど大変な時間や労力を要したが、この装置は、金属の電極を水中に入れ電圧を加えると金属イオンが溶け、電気分解によって発生した酸素や水素の細かい泡がアオコだけを水面に浮上させるので、これを回収するというものである。また、水の殺菌作用もの効果もあり、周囲からは水質汚染の改善の進まない霞ヶ浦への応用が期待され、平成11年5月霞ヶ浦水質浄化プロジェクトへの参加を決めた。
その後、タンク製造の岡田鉄工所(岩井市)と筑波大学との共同で汚水処理装置を試作、水戸市の千波湖に設置。底にたまったヘドロを浄化する実験に成功した。この研究成果は、今年2月に行われた国際会議『つくば国際水環境フォーラム2000』において発表された。
また、「高効率電気分解装置」を使い、焼却灰に含まれているダイオキシン類を水に混ぜて電気分解した結果、7割のダイオキシン類を除去し、とくに毒性の強い物質に関しては除去されているという驚くべき成果があり、大変大きな反響を受けている。


【今後の方針】

同社は、先月東京ビックサイトにて行われた、当公社主催の『中小企業テクノフェアー2000』に出展し、水質関連製品のほか、高周波を用いた食品加熱・殺菌装置等、食品加工品を袋から取り出さす出荷状態で、空気に触れさせないことで、食品塩分濃度の変化の影響をまったく受けない非接触による袋、中の製品が殺菌や加熱処理等される装置を展示した。この製品は、低電力化で大量処理できるので食品関連事業者から大変注目を浴びており、新たな分野への展開が期待されている。
今後の方針を五十嵐社長に尋ねると「環境の修復をお手伝いして、自然に帰すだけ。」と謙虚な言葉が返ってきた。環境関連製品のベンチャー企業として邁進することであろう。
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